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君の知らない玉手箱

溶けそうで溶けない、アイスクリイムのようなブログ。

Fate/EXTRA 白野&ギルガメッシュ

七天の聖杯――セブンスヘブン・アートグラフ――

月の聖杯を巡る戦いは、無名のマスター・岸波白野の手によって幕を下ろした。

あらゆる望みを叶える聖杯の危険性を恐れ、
白野は聖杯そのものを封印することを願いとしたため、
もう二度と聖杯戦争が起きることはない。






・・・果たして、本当にそうだろうか?



「慢心を捨てた貴方に倒せぬ者などこの世に無し。そうでしょう、英雄王?」



「当然のことをしたり顔でほざきおって。つくづく蒙昧なマスターよな」




否、岸波白野の戦いはまだ終わっていない。




彼女の手の甲に、令呪という名の運命を切り開く力がある限り。





38万kmの距離を越えて――




剣は、再び岸波白野の手の中に――――!





――――――――――――――――――






私と彼の王の始まりは、星空の邂逅だった。

「我は絶対にして始まりの王。
 英雄の中の英雄王、ギルガメッシュ―――」

その紅き両眼ですべてを見定める裁定者。

私と彼の王の終わりもまた、星空の別離だった。

「先に進むがいい、雑種。貴様の旅ならば
 それは見ごたえのある物語となるであろう」

離れていく。眩しそうに見上げる彼を置き去りして。

「ギルガメッシュ―――!」

彼の名を呼ぶ私の声も、伸ばした手も二度と届くことはない。

・・・・・・それで、いいんだ。

彼と交わした約束がこの胸に息づいている。

岸波白野が歩みを止めた時こそが、
ギルガメッシュとの永遠の別れになる。

この手のアザがなくたって、私が一歩を踏み出す限り―――

私は今も、ギルガメッシュとともに在る。



「・・・輩。起きてください、先輩」

耳朶に響く優しい声と体を揺する小さな手によって
意識が覚醒していく。

まだ疲れは残っているけど、早く起きないとかわいい後輩に
怒られてしまいそうだ。

目を開けると、

「おはようございます、先輩」

そこには私がずっと守りたいと願い、命がけで手に入れた
間桐桜の笑顔があった。

朝日よりも眩しい彼女の笑顔に、私も負けじと満面の笑みを返す。

「おはよう、桜」

周囲に目をやれば、四方を壁に囲まれていて、廃材や看板、
用途のわからない器具などが積み重ねられている。

部屋中に埃が積もっており、ずいぶんと長い間
人の出入りがなかったようだ。

私たち、何でこんな廃屋で眠ってたんだっけ・・・?

寝起きの頭はいまいち回転が鈍い。

私の疑問は、桜の「どうにかやりすごせたみたいですね」という
言葉で氷解した。

そう、私たちは黒ずくめの男たちに追われ、偶然見つけた
この廃屋に逃げ込んだのだ。

しばらく動かず息を殺していたのだが、疲れがたまっていた私たちは
いつのまにか眠ってしまったのだろう。

「ごめんね、桜。こんなことに巻き込んじゃって」

「先輩のせいじゃありませんよ。もちろん、誰のせいでもありません。
 それに、私は望んで先輩についてきたんですから」

桜の優しさが嬉しい。重くなりかけた空気が和らぎ、
ぽかぽかと胸が温かくなる。

「ありがとう、桜」

お礼を言って立ち上がり、スカートに付いた埃を払う。

「ちょっと外の様子を見てくるよ」

「私も行きます」

「桜は休んでて。あまり眠れなかったんでしょ、
 目の下にクマができてるよ。大丈夫、すぐ戻ってくるから」

しぶしぶではあるが了承してくれた桜を残し、
私は扉を開けて外に出た。

・・・その光景に息をのむ。

一面の、青。

空と海が混ざり合い、溶け合い、見る者に無上の感動を与えてくれる。

吹き抜ける潮風も心地よく、遠くで海鳥が鳴いていた。

視界の隅に、大型の客船らしき船を捉える。

海外旅行にでも出かけるのだろうか、次々と老若男女が乗り込んでいる。

船尾には、西欧財閥のエンブレムがあった。

「レオ・・・」

私の唇が、ふと彼の名を紡ぐ。

頼りになる生徒会長であり、岸波白野が乗り越えなければならない
壁でもあった最大の好敵手、レオナルド・B・ハーウェイの名を。

世界の3割を牛耳る西欧財閥の時期盟主で、
生まれた時から勝利を決定づけられた少年王は
もう一人の岸波白野に敗れた。

死と対価に完全無欠となったレオと会うことはもうできない。

いや、レオだけではない。ラニ、ユリウス、ガトー、シンジ・・・

彼らはもういない。

―――胸に痛みがないといえば嘘になる。

月の裏側から脱出するために手を組み、
短くて長い間、私と彼らは確かに仲間だったのだから。

それでも、私=岸波白野は歩みを止めることだけはしなかった。

聖杯はたった一人、生き残った者だけに与えられる。

勝者となった岸波白野が聖杯に願ったのは―――

「先輩・・・?」

いつの間にか桜が傍にいた。

「どうして、泣いて・・・」

知らぬ間に流れていた涙を拭う。

「何でもない。そろそろ、行こっか」

「・・・はい」

遠坂凛との合流予定場所の街まで、あと10キロほど。

西欧財閥の連中に捕まるまでに、何としてでも凛に会わなければ。

気合を入れなおした途端、不意に手の甲に痛みが走る、

そこには、あの令呪が熱を持ち赤く輝いていた。

「・・・ギルガメッシュ・・・?」

まるで私を呼んでいるかのような―――

・・・いや、それはないだろう。

彼は今も、宙の領域で眠り続けているのだから。



「いたぞ、追え!」

「くっ・・・!」

西欧財閥の執拗な追跡は続く。

ここまでひたすら逃げてきたが、そろそろ限界かもしれない。

今までに捕まらなかったのは運が良かったからで、
そもそも私たちはこの一帯の土地感すらないのだ。

桜の消耗も激しい。

今の彼女はただの人間の少女に過ぎず、それは私も同様で
体力はとっくに限界を超えている。

私の体を動かしているのは、後輩の前で情けない姿を見せたくないという
意地によるところが大きかった。

やがて逃避行に終止符を打つかのように、
私たちは袋小路へ追いつめられてしまった。

「ずいぶんと手を焼かせてくれたが、ここまでだな」

背後には黒ずくめの男たち。

私は桜をかばうようにして彼女の前に立つ。

「岸波白野、お前を拘束する。罪状はわかっているな」

「レオを手にかけたことに関する殺人罪でしょ」

厳密には、レオを屠ったのはもう一人の岸波白野なのだが、
わかってもらえるはずもない。

「先輩・・・」

桜が涙声で服の裾を掴んできた。

大丈夫と声をかけてやりたいが状況が許さない。

ここまでか・・・!?


「はくのん、桜、伏せて!」


それは誰の声だったか。

認識するより早く、私たちが身をかがめた刹那、

閃光が視界を白く染め上げる―――!


「なっ・・・がっ!」

バチっと、火花が散るような音がした。続いて、男たちが崩れ落ちる音。

「二人とも、こっちよ!」

桜の手を掴み、私たちは声の方向へ駆け出した。

身体らしきものを踏みつけるのも構わず、ただ、前へ。





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  1. 2016/06/04(土) 02:07:55|
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Fate/EXTRA-CCC  秤に掛けるは世界と愛

―――こんな奇跡を、私は知りません。

ムーンセルにだって、記録されてないと思います。

・・・・・・だから、この命は貴方のために。

一時でも『有る』と夢を見させてくれた貴方のために、わたしは、

獲得したいのち(あい)を使うのです。




この数年で一番楽しかったゲームかもしれません。

初Fateがこれで本当に良かった。


二人の出逢いは決して、特別なものではありませんでした。

でも、彼女にとっては「世界を敵に回す」ことすら選択させるほどの奇跡。

方法は間違っていたかもしれないけど、誰よりも純粋だったんですよね。

たった一人で闘う、ワガママで、嫉妬深くて、どんくさくて、
ちょっと目を離していたらラスボスになっていた系女子を
心から好きになってしまいました。

惜しいのは彼女の救済ルートがなかったことだけど
おまけで幸せそうだし、これでよかったのかもしれませんね。

一番好きなキャラ・・・というより、CCCの枠を超えて
私が知ってる古今東西のヒロインの中でもトップクラスです。


何よりも笑ったのは、遠坂マネーイズパワーシステムですw

もうこの名前からしてアレなのですが、お金を振り込めば敵が弱体化するという、
イミフなイベントが最高に楽しかったですw

サーヴァントもキャラも個性的で物語を良く盛り立ててくれます。
(ただジナコは駄目でした。一種の同族嫌悪です)

サーヴァントでは女白野とギルガメッシュの組み合わせが好きです。

ギルガメッシュなんて何度も白野を選択肢や返答しだいで
殺そうとしながら、途中のイベントの後からは
まるで別人のように丸くなってたw

あとは・・・色々な意味で、あざといゲームでした。

これは好き嫌いが分かれそうで、ちょっともったいないですね。

それとボスが強い。何度リトライしたかわからねーw

こんな風に不満点もあるけど、それでも私にとってとても楽しいゲームでした。

おススメです。


※本当に楽しかったのでSSを書きたい。物語を考え中です。


  1. 2014/09/06(土) 01:41:55|
  2. Fate/EXTRA-CCC
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