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君の知らない玉手箱

溶けそうで溶けない、アイスクリイムのようなブログ。

アルトネリコ 二次創作 クロア×ジャクリ後日談SS            ~世界の頂上でシアワセを詩う彼女~  第13話

そのヒュムノスを謳うレーヴァテイルが認証した者以外は、
詩魔法はおろかヒュムノスすら謳えなくなる究極のヒュムノス―――

「EXEC_ANSUL、か。正直うさんくせぇな。鵜呑みにすんのか?」

「シュレリア様からもそんな話は聞いたことないけど・・・」

否定的な二人に俺も賛成だが、ミュールは違うらしい。

「私は・・・あると思うわ。むしろあって当然じゃないかしら。
 きっと、安全装置の意味があったのよ」

「どういうことだ?」

「アル・トネリコが未完成なのは知ってるわね。
 第一期にもしもあれが完成していたら、世界なんてたやすく牛耳れたのよ。
 そんな物騒な物の全権限をシュレリアに委ねる危険性を、
 当時の学者たちは誰も考えなかったのかしら?」

「つまり、万が一シュレリア様が暴走したら一巻の終わりだったってことか」

「唯一止められるサスペンドは、あろうことかあの子に
 ダウンロードされてる。幸いにも一年中ボケボケしてるようなやつだから、
 アンサルは必要なくなって、そのうち忘れ去られたんだと思うわ」

「なるほど・・・」

「ちなみにANSULは、“統率者”って意味よ」

現実味をおびてきた、アンサルの存在。

「でもよ、何でこの仏さんはそんなこと知ってたんだ?」

「さぁね。昔の文献でも漁ったんじゃないの」


「半分正解だ。そいつは元々天覇の人間だった。と言っても、
 ボルドに心酔していた悪党だがな」


いつのまに現れたのか、落ち着いた女性の声。

何者かと身構えたが、ライナーたちの反応を見る限り杞憂だったようだ。

「社長!」

「・・・社長?」

遠くからでも目を引く美人で、全身を包む扇情的な衣装も
その鍛え抜かれた身体を引き立て、堂々とした気配を身に纏っている。

片眼を眼帯で隠し、残った瞳に凛とした光を湛えている。

「久しぶりだな。こんな所で会うとは思わなかったが。おっと、新顔もいるな」

俺を見た彼女と軽く自己紹介を交わす。

亜耶乃・ライザー・エルデューク。

彼女こそ、ソル・シエールの経済を牛耳る大企業・天覇の最高責任者だという。

「もっとも、経営は下の者に任せきりだがな」

「あんた、こんな所で何をしてるんだ?」

「それは私の台詞だ。ここは元々天覇の研究所、関係者以外は立ち入り禁止だ。
 まぁ、廃墟と化した今では何の問題もないか」

「俺たちは・・・」

社長に事情を説明する。社長はしばらく黙って聞いていたが、
おもむろに口を開く。

「やはりお前たちもその線か。私も少々気になることがあって
 独自に調べていたんだ」

「何かわかったの?」

「・・・まぁ、お前たちも無関係ではないかもしれないな。話しておこう。
 さっきも言ったが、その骸は昔、天覇の暗部の人間だった。
 技術者としては優秀でも性格に難があってな。
 私とは結局馬が合わなかったが、裏ではボルドと組んで
 レーヴァテイルの研究をしていたようだが、その内容がな・・・」
 
「どうせろくでもないことだろ?」

「まぁ、その通りだ。こいつの研究室を捜索して、ここが隠れ家の一つだと
 突き止めたんだが、おかしなことに、膨大にあるはずの資料が
 どこにもなくてな。こいつが悪事の露見を恐れて処分したのかと思ったが、
 殺されていたとなると別の可能性が浮上してくる」

「つまり・・・」


「誰かが、そのろくでもない研究の後を継いだ―――ってことでしょうか」


それは考えられうる最悪の想定だった。

―――――――――――――――

七ヶ月ぶりの更新。

短いですが、少しずつでも書いていかないといつまで経っても
放置してしまいそうなので(汗)

※アンサルは、既存の設定と矛盾していたら内容を変更するかもしれません。
アルトネは設定が難しくて、下手なことを書くとすぐ矛盾してしまいそうで怖い。
  1. 2013/05/16(木) 01:05:40|
  2. アルトネリコSS(修正中)
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