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君の知らない玉手箱

溶けそうで溶けない、アイスクリイムのようなブログ。

俺の妹がこんなに可愛いわけがない 桐乃SS 「きっとここから」  第2話

「・・・・・・」

「・・・・・・」

状況を説明しよう。俺の部屋で、俺とあやせは二人対面している。

美少女と二人きりなんて羨ましいと思うか?もちろん俺だって嬉しいさ。


・・・あやせが殺意を孕んだ目で、俺を突き刺してなけりゃな!


「あのう、あやせさん?」

「何ですか?」

抑揚のない声色が怖すぎるぜ。

「本日はどのようなご用件でしょう?」

あやせの怒りの導火線に着火しないよう、細心の注意を持って訊く。

既に手遅れな気もするが、これ以上火に油を注ぐわけにはいかない。

俺が死ぬ。

「・・・・・・」

一変して、ゴキを見るような視線。

以前の桐乃の、ゴミを見るような視線とどっちがマシだろうね?

何て不毛なことを考えたら、

「お兄さん・・・桐乃に手を出しましたね?」

とんでもない爆弾を放り投げてきやがった。

「してねぇ―――よ!いきなり何を言うんだおまえは!?」

「嘘ですっ!だって今日、桐乃の足にアザができていました!
 お兄さんが嫌がる桐乃に・・・む、無理矢理したんでしょう!?」

白昼堂々、何てことを言いやがる!?

「あ、あれは、あいつが陸上の練習中に転んで打ち付けたんだよ!」

桐乃本人から聞いたのだから間違いない。

そういえば、俺が心配するそぶりを見せたら、珍しく「あ、ありがと」という
素直な返事が返ってきた。

てっきり「シスコン乙」と邪険にされると思っていたから、
こっちも「お、おう・・・」とくすぐったい感触を覚えたものだ。


「桐乃はお兄さんにやられたと言ってましたが」

「はぁあああああっ!?」

あいつ、何言っちゃってんのっ!? 俺を殺す気かよ!

最近は打ち解けてきたかなと思ってたのに・・・

あいつ、そんなに俺のことが嫌いだったのか。

突きつけられた絶望の真実と、生存本能から、全身に冷や汗が噴き出す。

そんな俺の様子にあやせは、

「ふぅ・・・そろそろ許してあげましょうか」

「・・・え?」

「桐乃がそう言ったのは本当です。でもすぐに否定してましたよ。
 それはもう、楽しそうに」

「そ、そうか・・・」

「からかわれたと気づいたけど、その笑顔を見たら怒りが消えちゃいました」

桐乃・・・あやせをからかうなんて命知らずなやつ。

ともかく、俺は命拾いできたようだ。胸を撫で下ろす。

「どうして息をついたんです?やましいことが発覚しなかったからですか?」

「ちげぇーよ。生きる喜びを噛み締めたからだよ」

「失礼な人ですね。わたしを何だと思ってるんです?」

「自分の胸に手をあてて考えてみろ」

パァン!

「いってぇえええ!」

「む、胸とか・・・セクハラですよ!」

真っ赤な顔で怒るあやせ。

「どこがだよ!」

いちいち人の言動の揚げ足をとりやがって。

桐乃とは別のベクトルで、めんどうくさい女である。

「もういいです。ところでお兄さん、一つ、お願いがあるのですが」

俺は全然よくないのだが。まぁ、これ以上の抗弁はよしておこう。

「何だよ?」

あやせは頬を紅潮させ、俺から視線を離し、もじもじとこう告げた。


「わたしと―――デートしてくれませんか?」
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  1. 2013/06/26(水) 22:39:58|
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