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君の知らない玉手箱

溶けそうで溶けない、アイスクリイムのようなブログ。

アルトネリコ 二次創作 クロア×ジャクリ後日談SS            ~世界の頂上でシアワセを詩う彼女~  第14話

クロアたちが謎の手帳を発見したのと同時刻。


一人で森に分け入ったミシャは、誰も近づかない深奥部で、
果たして如何にも怪しげな洞窟を見つけてしまった。

ぬかるみの上を真新しい足音が洞窟の奥へと続いているため、
中に誰かいるのは間違いないだろう。

ただ、このまま突入するべきか否か、ミシャは逡巡する。

レーヴァテイル、特にβ純血種には、詩魔法という強力な能力がある。

しかしそれは、騎士という少女を護る存在がいてこそ成り立つ。

詩に集中してしまうと、身動きが取れないレーヴァテイルは
格好の的になってしまうのだ。

そして、詩魔法が使えなければレーヴァテイルは
人間の少女よりか弱いのである。

例外として、ミシャやライナーたち8人とたった1人で
渡り合ったレーヴァテイルもいるが、あれは参考にならない。

無論、ミシャも伊達に数々の死闘を潜り抜けてきてはいない。

ダイブや塔との結線を経て、ミシャの詠唱速度は
β純血種たちの中でも郡を抜いている。

敵が一人なら、何とかなる。

しかし、もし二人以上いたら・・・?



エモまで行ってラードルフから兵を借りるべきかしら。

「でも、ここから離れると逃げられるかもしれないし・・・」

悩む私の前に、不意に助けは現れた。

「ミシャちゃん!」

「オリカ!?どうしてここに・・・」

「ごめんね、やっぱりじっとしていられなくて・・・」

「しかたないわね・・・と言いたい所だけど、いいタイミングだわ」

二人なら戦い方も変わってくる。

ライナーから渡された護身用のアイテムもあるし、
最悪私が盾になればオリカが逃げる時間くらいは稼げるだろう。

「オリカ、ついてきてくれる?」

「うん!」

頼もしい返事に頷き返し、私たちは奥へ進む。

ごつごつした土壁はすぐに人工的な壁へと変わり、
二人の無機質な足音が響く。

突き当りでは厚く頑丈そうな扉が私たちの行く手を阻み、
その横には端末のような機械がある。

画面にはヒュムノス語で指示が書かれていた。

「・・・何て書いてあるのかな?」

「え?」

「あ・・・ううん、なんでもない」

何故か焦ってるオリカの様子が気になったものの、
再び画面に視線を移す。

そこには、“選ばれし力を証明せよ”とある。

「選ばれし力・・・どういう意味かしら」

ヒュムノス語の文面から、レーヴァテイルに向けて
示されているのは間違いないだろう。

「レーヴァテイル・・・選ばれし力・・・」

そこから導かれるものは。


「ヒュムノス・・・?」


第三世代とは一線を画す、本来オリジンとβ純血種だけに
謳うことが許された特別な力。

この端末は、ヒュムノスを要求しているのかもしれない。

「・・・あまり胸を張って謳いたい詩じゃないのだけど」

深呼吸して・・・


「Wee ki ra chs Chroniclekey・・・」


EXEC_CHRONICLE=KEY/.


私の存在する理由だったもの。


「en glandee sos dius yor・・・」


既に必要が無くても、私はこの詩と生きていかなければならない。


それが、最後の星詠である、私の役目だと思うから。


「ヒュムノス・エクストラクトを確認。
 塔の制御を伴い、導体D波を塔より干渉し自動プログラムを起動。
 ロックを解除します」

扉が開いてゆく。

「・・・先へ進みましょう」

この先にある何かを確かめるために。

――――――――――――――――――――――


少しずつ。
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  1. 2013/11/26(火) 01:32:46|
  2. アルトネリコSS(修正中)
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