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君の知らない玉手箱

溶けそうで溶けない、アイスクリイムのようなブログ。

アルトネリコ 二次創作 クロア×ジャクリ後日談SS            ~世界の頂上でシアワセを詩う彼女~  第16話

母さんと僕にとって、ライナーとの出逢いは奇跡だったと思っている。

初めて母さんを受け入れてくれたライナーには、感謝をしてもしきれない。

だから僕はライナーのためなら命を懸けることも厭わないし、
母さんも、絶対に認めないだろうけどライナーに恩を感じているはずだ。

僕がライナーの真っ直ぐな強さに触れて、母さんに反旗を翻したように、
母さんもライナーたちと接することでその心を溶かしてほしいと願っていた。

・・・ところが、母さんは息子の僕の想像すら及ばない人だったらしい。


突然別の世界から戻ってきたと思ったら、“人間”を連れてきていた。

あの、母さんがだ。

この時点で既に驚天動地、ライナーがオボンヌ断ちするよりもありえないはずが、
母さんはまたも僕の予想の遥か上を行く。

一目見て、わかった。

全力で否定しているけど。


母さんは・・・・・・彼に、恋をしている。


母さんと、その少年―――クロアが両想いだと気づくのに時間はいらなかった。


数百年生きて、初めて普通の女の子の幸せを母さんは手に入れたんだ。


それは僕がずっと望んできたことなんだけど。


母さんは、いつもクロアだけを見ているから。


母さんを取られてしまったみたいで。


僕は・・・ちょっと、悔しい。



―――――――――――――――

「それはありえないでしょうね」

亜耶乃社長と現地で別れ、シュレリア様にアンサルについて尋ねたところ、
返ってきた答えは否定だった。

「私が生まれてから創られたヒュムノスはほとんど全て私が関知しています。
 第一紀はその限りではありませんが、塔のデータベースにアクセスしても
 アンサルというヒュムノスの存在は確認できませんでした。
 おそらくは空想の産物でしょう」

「あいかわらず、能天気な管理者様ね」

「むぅ、どういう意味ですか?」

「塔にデータがないなんて、何のあてにもならないわ。
 例えばあなた、メタ・ファルスにある、I.P.D.だけが謳える
 METHODから始まるヒュムノスは一つも知らないでしょう」

「それは・・・そうですけど」

「誰も知らないからと、絶対にありえないとはいいきれない。
 なら、あると仮定して対策を練るのが管理者としてあるべき姿じゃないかしら。
 ねぇ、シュレリア様?」

・・・どうしてこいつはいちいち挑発するような言い回しをするのだろうか。

案の定、シュレリア様は目くじらを立てた。

「あなたって人は・・・変わったと思ったら全然変わってないじゃないですか!
 恥ずかしい妄想を本にして自分に酔ってるくせに!」

「なっ・・・!?」

シュレリア様の反撃にミュールが目を白黒させる。

「何で私が本を出してることを知ってるのよ!?」

「ミュールの弱点はないかと、スピカさんに聞いたからですけど?」

「あの女・・・!次に会ったら全力のアルトネリコを直撃させてやる・・・!」

「親友に詩魔法をぶっぱなすなよ・・・」

まぁ、あの人もわかっててやったんだろうな。
今ここにいたら、きっと爆笑したことだろう。

なんだかんだ言って、似たもの同士なんだよな。

「・・・ああ、詩魔法と言えばファンタスマゴリアは助かったわ。お礼を言っておくわね」

「どういたしまして・・・でいいのでしょうか?本当は平和を願う詩なんですが」

「いいのよ。私たちに敵意を持つやつらを殲滅したら、平和になるでしょ」

「何だかラスボスっぽい発言だね」

「ええ、だって本当に元ラスボスだもの。
 おかげでインフェルとネネシャ相手にも楽にオーバーキル・・・」

「母さん、それ以上は止めたほうがいいよ」

クローシェ様と百人のI.P.D.が謳うレプレキアの効果でブーストされた
反射衛星砲の威力は、メタ・ファルスそのものを破壊しかねない
極大の威力を秘めていた。

あの場にいてよく俺たちも死ななかったものだ。

「と、ともかく。アンサルは私のほうでもう少し調べておきます。
 皆さんは今日はこれで解散して構いません。お疲れ様でした」

「帰るか、ミュール」 

「お買い物をしてからね。今晩の食材がもうないわ」

「そうだった。今日は何にする?」

「冷たいものがいいわ」

「そうめんにでもするか?」

「いいわね。・・・ところで、何よアヤタネ、その顔は?」

「いや、微笑ましいなと思って」

くすくすと笑むアヤタネの反応が照れくさい。

「・・・ふん」 ミュールも同感だったらしく、顔を明後日の方向へ向けた。

「ライナーは直帰かい?」

「スクワート村に行くよ。ミシャやオリカの様子を見ておきたいし、
 俺もみんなを手伝いたいからな」

「・・・それ、俺も行っていいかな?」

「クロアが?」

俺には直接的な縁はないものの、やはり仲間たちの大切な場所は
俺の大切な場所でもある。

「・・・私も行く」

「え、母さんまで?」

「・・・一人で部屋にいても退屈だからよ」

嘘に思えた。

でも、詮索はしない。

「ってわけだけど・・・いいか?」

「もちろんさ、行こうぜ」


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  1. 2014/05/28(水) 01:28:09|
  2. アルトネリコSS(修正中)
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